雑談百選

大阪千里司法書士事務所のブログ 

読書の効用 教訓 Ⅳ

自分が学生時代の頃のベストセラーに村上春樹氏の「ノルウェイの森」があって、その登場人物に永沢さんという人がいるのだけれど、エリートの永沢さんは女性関係にいささかの問題を抱えている人物に描かれているものの、アフォリズム文学のようになかなか示唆に富んだセリフを与えられていて、その台詞の中に、初めて読んだ時から自分の意識に深く刻まれた言葉があります。

「自分に同情するな」

「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」

全てのヒトに当てはめられる言葉ではないですが、少なくとも、この言葉は自分にとっては大切な規範(ルール)の一つになっています。なので、誰かに憐みを乞い、その誰かが憐みを向けるという関係は、いささか不幸な相互依存の関係に思えてなりません。

他方、女性装で知られる経済学者である安冨歩氏の著書「生きる技法」の中に「助けてくださいといえたとき、人は自立している」という言葉があって、それも印象深い言葉として自分の中に残っています。あの人も助けてくださいと言えればどんなに楽になるのだろうと想像してみたのですが、おそらく、そういう時は今後も訪れないのでしょう。残念ながら、金持ちは大抵のことは金で解決してしまえる上に、サロントークで交わえる同じ上級クラスの民の他には、ロクな奴が周りに寄ってこないのが常であり、そして、何より、あの人は本なんて読まないでしょうから。

そういう意味では、まったく憐れという他ありません。